2013年2月15日
「グリーン回収便」従業員に対する不当解雇を巡る闘いが始まりました
北関東通商株式会社(以下「北関東通商」といいます。本社は水戸市です。)は、「グリーン回収便」という商標を使用し、新潟市内を中心に古紙回収業を営んでいます。回収員は、各地域の新聞・雑誌・段ボールを回収し、回収量に応じてトイレットペーパーなどを回収先の住民に配布しています。 AさんとKさんは、北関東通商と「業務委託契約」を締結し「事業者」として北関東通商新潟営業所でグリーン回収便の回収「業務」を行っていました。しかし、上司は、二人に対し、給与・賞与の査定において差別的評価をし、暴言を吐き、契約上の根拠もなく「ペナルティ」と称する金銭的制裁を加えるなどのパワーハラスメント行為をしていました。二人の実態は、「事業者」でなく、労働契約法及び労働組合法上の「労働者」だったのです。 二人は、職場環境を改善するために県労連ユニオンに加入しました。ところが、北関東通商は、二人がユニオンに加入したことを把握後、二人に圧力を加え、やがて二人との「業務委託契約」を「中途解約」しました。 私たちは、この「中途解約」は、労働契約法違反の無効な解雇であり、労働組合法違反の不当労働行為に該当すると判断しました。そして、昨年九月に新潟地方裁判所に賃金の仮払いなどを求める仮処分の申立てを、十一月に新潟県労働委員会に契約に基づき従前同様の業務に就労させることなどを求める不当労働行為救済命令の申立てを、それぞれ行いました。 「グリーン回収便」従業員に対する不当解雇を巡る闘いは、労働法制の適用を回避する「業務委託(請負)契約」という法形式が蔓延する現代社会に警告を発する意味でも大変重要なものです。弁護団も努力しますが、皆様による協力も必要不可欠となりますので、ご支援のほどよろしくお願い致します。(弁護士 加 賀 谷 達 郎)
著者:加賀谷 達郎
新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。
日比谷公園のネコ