2016年10月14日
「文通」
(ほなみ第120号掲載)
皆さんは、最近、「手紙」を書くことはありますか?
携帯電話が普及して以降は、もっぱら「メール」を活用しており、「手紙」を書く機会が減ったという方は多いのではないでしょうか。
年始のあいさつも、今や「あけおめメール」が主流になっているかと思います。
そのような中、実は私には「文通」相手がいます。
その相手は、刑事事件の元被告人です。
現在、刑務所で服役中の彼らは、「メール」を送ることはできませんが、何か月かに1回、「手紙」を書いてくれます。
内容は、事件当時の自分を振り返って反省を深めたことや、社会復帰に向けての意気込み、刑務所内での生活など、多岐にわたります。
私も、メール文化に染まってしまいましたが、もともとは「手紙」派です。
小中学生のときには、携帯電話なんてありませんから、友達との意思疎通手段はもっぱら「手紙」でした。
授業中に友達同士で手紙を回して先生怒られたこともありました。
ラブレターを書いたかどうかは記憶が定かではありませんが、今みたいにメールやLINEで告白、なんてことはあり得なかったですね。
このように、手紙派だった私は、久々に手紙を書くということで、まずは「便箋」探しから始めます。
文房具屋さんへ行って、どの便箋がいいかな、今は夏の季節だからこれがいいかな、などと選んでいる瞬間は、小中学生に戻ったみたいでとても楽しいです。
小中学生のときは、思ったことを取り留めもなくつらつらと書いていたように思いますが、大人になって成長したのか、さて何を書こうかと、結構考え込んでしまいます。
筆まめな方ではないので、返信に時間がかかってしまうこともありますが、いずれ、彼らが社会復帰して、今度は更生の道を歩んでくれることを願いながら「文通」を続けています。
弁護士 鈴木麻理絵
著者:鈴木 麻理絵
生まれも育ちも埼玉県ですが、縁あって新潟で弁護士として働くことになりました。依頼者の方に「相談して良かった」と思っていただけるように、誠実に取り組んでまいります。
新潟の水と空気から
変えないものと変えるもの