2010年5月27日
アダムスさんちのジョン
アダムスさんには飼い犬ジョンがいます。ジョンは猟犬でアダムスさんの命令にとても忠実です。するどい歯を持ち、ねらった獲物は逃しません。
アダムスさんはジョンを連れて狩りに行くのが趣味でしたが、良い獲物は自宅から大変遠くまで行かなければならず、だんだん難義になってきました。
そこで、狩場の近くに住む知り合いのキムラさんに、庭の一部にジョンの犬小屋を作って世話をしてもらえないかと頼んできました。
キムラさんは最初はイヤだなと思いましたが、親友のアダムスさんの頼みだし、どう猛なジョンがいれば泥棒なんかも近づかないだろうから安心して暮らせて良いかなと思い、承知しました。結局、犬小屋を作る費用も毎日の餌やりや散歩などの世話も全部キムラさんの負担でした。
日が経つにつれジョンは大きくなりました。餌の量も増え、犬小屋も大型のものに建て替えなければなりません。全部キムラさんの負担です。また、昼夜関係なく大声でなき続けました。キムラさんがいくら叱っても、アダムスさんの命令しか聞かないジョンは従いません。それどころか、虫の居所が悪いときはキムラさんの留守中に、母屋に侵入して台所を荒らしたり、留守番の子供たちに吠えたり噛みつこうとしたりしました。
我慢の限界に来たキムラさんの奥さんと子供たちは、「お父さん、もうこんな犬はアダムスさんに返して!」と訴えました。キムラさんは、思わず「でもジョンはわが家の番犬の役割をやってくれているしなぁ・・」と言いました。すると奥さんは、「どこが番犬なの? 狩りの時になるといつもいないじゃないの、1年の半分はいないのよ。そんな番犬のために私たちはこんなにひどい目に遭っているのよ?何のために飼っているの?」と鋭く追及しました。
「でもなぁ、アダムスさんは親しい友だちだし。」「ジョンを飼ってあげなくたって、アダムスさんと仲良くする方法なんかいくらでもあるじゃない!」「ドロボウ除けになっているし・・・」「ドロボウがどこにいるの? ご近所でドロボウの被害に遭った人なんか一人もいないわよ。」「でも、これから先ドロボウが来るかもしれないし・・・」「そんなあやふやなことだけで、私たちはこれからも怯えながら暮らしていかなければならないの?」「・・・・・・・」「どっちの方を向いているの? もっとしっかりしてよ、アンタ!」
・・・・・・・ これって、“在○米○基○問題”のことですよね。
弁護士 金子 修
著者:金子 修
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