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2011年10月4日

パワハラ自殺に公務災害認定を

 

(事務所誌「ほなみ」第109号掲載)

 

 新潟市水道局職員であったAさんが上司からのパワーハラスメントを苦にして自殺した件について、地公災新潟市支部長が公務外認定を下した件について、遺族が公務災害認定を受けるため、審査請求を行っています。

 Aさんは、家族旅行のために有給休暇をとったことをきっかけに、上司であった係長からいじめを受けるようになりました。係長は、些細なミスであるにもかかわらず、罵倒や詰問を繰り返したり、周囲の職員に晒し物にするような馬鹿にする態度をとったり、亡くなる直前には、過去の仕事を掘り返して連日のように意味のない説教を繰り返していたとの証言があります。Aさんの遺書には、「あの人とはもうやっていけない。…どんなにがんばろうと思っていてもいじめが続く以上生きていけない。」などと綴られていました。

 パワハラ自殺について公務災害認定を受けるためには、地公災の認定基準をクリアする必要があり、平成23年3月16日付の地公災通知では、「上司等から業務指導等の範囲を逸脱し、人格や人間性を否定するような嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた場合」について、過重な(精神的)負荷となる可能性があることを明らかにしています。Aさんが受けたいじめはまさに人格や人間性を無視するいじめであったと考えられます。

 遺族の粘り強い努力によって、職場の同僚等からも数々の協力が得られるようになり、Aさんが係長からいじめを受けていたことや、同じ係長がAさんの死と前後して、他の職員に対してもパワハラを繰り返していたことが明らかになってきています。

 審査会の審理は9月28日に口頭意見陳述を控えており、パワハラ自殺に公務災害認定を勝ち取るための山場を迎えています。

 

弁護士 近 藤 明 彦

著者:

話しやすい雰囲気で相談・打合せを行い、丁寧な事件処理をすること。依頼者の皆様の満足と納得を最優先にし、安心感を得ていただけることを目標として頑張っています。以前依頼者であった方から、別の事件の相談を再び受けること(リピート)、別の相談者を紹介していただくこと(孫事件とでも言いましょうか)が多く、そのことが私にとって大きな励みになっています。お客様から満足していただけたかどうかのバロメーターであると考えるからです。

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