新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2008年4月8日

中国人強制連行強制労働事件

 すでに60年以上も前のこと、日本が中国や米国などと戦争していた頃の事件です。

 当時、男性の多くを兵隊として海外の戦地へ派遣していた日本は、国内で深刻な労働力不足に直面していました。このままでは戦争に必要な物資を作ることができません。そこで日本政府は、戦争相手国である中国から、騙してあるいは銃剣で強制して多数の中国人男性を連行してきました。その数約3万9000人。彼らは、日本各地で、石炭堀り、土木工事、港湾荷役など苛酷な重労働を強いられました。やがて戦争が終わり、生き延びて母国の土を踏めたのは約3万人。それ以外の人の大多数は、極度の栄養不足と苛酷な労働の中で衰弱死していきました。生きて帰れた人もその多くは健康を害していました。

 戦争のさなかとは言え、あまりにひどい仕打ち。日本で死んだ人にも、生きて帰った人にも、何の補償もありませんでした。その一方で、労働させた会社は、「中国人を使ったせいでかえって損害を受けた」と言って、戦後のどさくさのなか多額の補償金を政府から受取っていました。

 戦後長く続いた国交の断絶、情報の途絶などを経て、ようやく1990年代後半から、被害者である中国人の方々が、日本国と企業を相手に被害の償いを求めて相ついで裁判を起こしました。

 新潟でも、1999年裁判が始まり、2004年新潟地裁は、国と企業の行った行為は「人道に著しく反するもの」と断じて一人あたり金800万円の慰謝料を支払うよう命じました。しかし2007年東京高裁は逆転判決を下し国と企業を免罪しました。現在、最高裁に上告するとともに、この問題の全面解決を求めた運動が繰り広げられています。

                      弁護士  金子 修

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