2023年1月12日
古今亭志ん朝で寝落ち
今、落語に凝っています。以前から興味はあったのですが、古今亭志ん朝のCDを借りて聞いてから、どんどん好きになっていきました。落語は歌舞伎や能など他の伝統芸能と違って一人で何役もの登場人物を演じ、話し方や声色だけで役柄を演じ分ける、というとてもシンプルな、ほとんど会話だけで成り立つ話芸です。それだけに落語家の技量が大きく影響を与える、奥が深い伝統芸能といえます。
落語を聞くと、こころがホッとします。「何とかなるさ」と呑気に暮らす人々がいて、「しょうがねえなあ」と歩み寄る世界があります。呑気で間抜けな与太郎はフラフラしていてどうしようもなく「ダメな奴」ですが、みんな与太郎を放っておけず、憎めない、そして周りの人間が必ずサポートする、そんな社会があります。
私の好きな噺の一つが「大工調べ」です。大工の与太郎が家賃を滞納した「かた」として、道具箱を意地悪な大家に取り上げられてしまうのですが、そこで棟梁の政五郎が与太郎のために一肌脱ぐ噺です。この噺の一番の見せ場は、はじめ下手に出ていた棟梁の政五郎が、ケツをまくって因業な家主に啖呵(たんか)を浴びせるところで、歯切れのいい江戸っ子のべらんめい口調は、聞いていて胸がスカッとします。そして、気が短くて、喧嘩っ早い江戸っ子の見事な啖呵を切って見せるのが古今亭志ん朝です。どこで息継ぎしているんだろうかというほどの見事な速い啖呵で何回聞いても飽きません。
私のスマホには、古今亭志ん朝の落語がたくさん入っているのですが、毎晩それを聞きながら寝て、そのまま寝落ちします。その日の気分で噺を選びますが、何日も同じ噺を聞くこともあります。枕元で落語を聞いていると頭の中でその気楽な世界のイメージが広がっていき、心地よくなってすぅーっと眠りにつくのです。
(事務所誌ほなみ第133号掲載) 弁護士小川和男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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