新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

電話番号:025-245-0123(受付日時:平日9:00~17:00)
受付日時:平日9:00~17:00

相談受付フォーム(予約専用)

相談受付フォーム(予約専用)

2010年9月21日

国鉄分割民営化と「終わらない歌」

  いわゆる「国鉄分割民営化」(国鉄→JRへの移行)の中で、会社の気に入らない労働組合に入っているというだけで、大勢の国鉄マンが、JRへの採用を拒否されたり、草むしりや掃除などの雑用を強制させられました。昭和62年の出来事でした。同じころ、ザ・ブルーハーツというロックバンドがファーストアルバムを発表しました。その2曲目に「終わらない歌」という歌があります。

終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズ共のために
終わらない歌を歌おう 僕や君や彼等のため
終わらない歌を歌おう 明日には笑えるように

世の中に冷たくされて 一人ボッチで泣いた夜
もうだめだと思うことは 今まで何度でもあった
真実(ホント)の瞬間はいつも 死ぬ程こわいものだから
逃げだしたくなったことは 今まで何度もあった
・・・
  同じころ弁護士になったばかりの私は、「こんなひどい差別が許されてたまるか」と、大勢の先輩弁護士の背中を追いながら裁判の闘いに入りました。その中で、妙にこの歌が気に入り、何度も口ずさんでいました。
  国やJRという強大な権力が理不尽に仕事を奪い、生活を奪い、働く誇りを奪う 「クソッタレの世界」、その手先になって真面目な国鉄マンをいじめ抜く「クズ共」、そんな圧倒的な相手に対し生活と人生をかけて闘う「僕や君や彼等」、そんな皆なが「明日には笑えるように」。
  マスコミを含め「思想が悪いから、怠け者だから、差別されるんだ」という世の中の冷たさに一人ボッチで泣いた夜、「もうだめだ。多数派に寝返れば楽になる」と何度も思った。「そんな労働組合なんて辞めて、こっちの方へ来い」「裁判なんてやっても負けるに決まっている、やめろ」「先が見えない闘いをいつまでやっているんだ、家族や身内がかわいそうじゃないか」そんな悪魔の誘いに揺れ決断を迫られ、死ぬ程こわくて逃げ出したくなったことが何度もあった。
平成15年に最高裁が国鉄側に不当労働行為(違法行為)があったことを認め、今年6月28日国やJRとの間で和解が成立し、ようやく問題解決の方向が示されました。闘いは23年に及びました。
納得いく解決を求めて23年間途絶えることがなかった「歌」、JRへの雇用の実現など全面的な最終解決まで「終わらない歌を歌おう、明日には笑えるように」。あと、もうひと踏ん張りだから。
弁護士 金 子   修

著者:

まず相談を。少しの費用で(無料の場合もあり)、トラブルの解決の道がわかるだけでも全然違います。相談を受けてまた考えれば良いのです。お気軽に、受話器を取ってください、メールを送ってください。

« 次の記事
トップへ戻る
新潟合同法律事務所