2012年12月17日
建築消費者?
事務所誌「ほなみ」第112号掲載
1 「消費者」に対抗する言葉はふつう「生産者」です。
しかし、ここでいう「消費者」は、「専門家」に対する「非専門家」(しろうと)、プロに対するアマチュアの意味に近い。日常生活をもっと便利に、もっと快適に、あるいはもっと財産を増やしたい、そんなありふれた欲求に、「専門家」「プロ」の仮面をかぶった人が近づき、信用させ、気がついてみると、大金を取られたり、あらぬ大損害を受けたり。人生を台無しにされ途方にくれ、騙された自分を責めて涙をぬぐう・・・そんな危険に囲まれている人たちというイメージです。
そう考えてみると、誰もが「消費者」。弁護士だって、弁護士の仕事以外はしろうと=消費者ですから。
2 最近は、建築に関する「消費者」被害の相談が少なくありません。
(1) 「家を建てる」「家を手に入れる」
家を建てる(手に入れる)は人生の一大イベント。人生の大半をそこで過ごし、多額のローンに何年も耐え忍ぶ。そんな大切な家が、業者の手抜き工事が原因で、土台が傾く、床鳴りがする、雨漏りがする、戸や建具がゆがんだりすき間ができる。
(2)「家の改築する」
最近は、『新築とそっくりです』などと改築(リフォーム)に力を入れている業者が多い。しかし、見た目は良いが質の悪い材料を使う、重要な柱を切って継ぎ足したため家全体のバランスが崩れ耐力が低下する、新たに床鳴りやきしみが発生する。
(3)「家を修繕する」
いきなり営業マンが訪ねて来て、「羽アリが飛んでいるのが見えた。シロアリがいると思うので家の中を見せて欲しい。」「屋根瓦が割れたりズレたりしている、雨漏りの危険がある。」などと言われたことがありませんか。シロアリの駆除だと言って高い薬剤を売りつける、床下の通気を良くすると小型扇風機を何台も取り付けて代金を請求する、勝手に屋根に上がられかえって瓦を壊される。
3 建築に関するアマチュア(建築消費者)をたぶらかす被害が増えています。泣き寝入りに追い込まれる人も多いはず。ぜひ思い切って弁護士に相談を。建築士さんと共同したり、安い費用で解決をめざす制度もあります。
弁護士 金 子 修
著者:金子 修
まず相談を。少しの費用で(無料の場合もあり)、トラブルの解決の道がわかるだけでも全然違います。相談を受けてまた考えれば良いのです。お気軽に、受話器を取ってください、メールを送ってください。
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