2018年1月11日
自転車保険に加入していますか?
通勤・通学で自転車を利用する人も多いと思いますが、自転車事故で多額な損害賠償が発生する危険性があることについては、あまり知られていないかもしれません。
自転車は、これまで自動車との関係では「交通弱者」として見られていましたが、昨今は自転車と歩行者との事故が増え、「加害者」の立場になることが多くなっています。
特に問題になっているのは、被害者を高度障害もしくは死亡させてしまうことで負う高額な損害賠償請求で、なかには1億円近い支払いを命ずる判決も出ており、自転車保険の必要性が問われています。
最近は、自転車保険の加入を義務付ける自転車条例を制定している自治体(大阪府、兵庫県、滋賀県、名古屋市など)もありますが、まだまだ十分な加入率ではないようです。
自転車保険は、自分が怪我をしたときの治療費等をカバーする「傷害保険」、第三者の身体や財物を傷つけたときの損害賠償金をカバーする「個人賠償責任保険」の2つで構成されていますが、とりわけ重要なのは、「個人賠償責任保険」の方です。
ただ、「個人賠償責任保険」については、自動車保険や火災保険などの特約で付けられるケースが多いので、自動車保険等に加入されている方は既に付保されているかもしれません。
また、個人賠償責任保険の補償対象は広く、契約者本人はもちろん、その配偶者や子供など家族も含まれるのが通常なので、家族の誰かが加入している場合、新たな加入は不要なケースもあります。
個人賠償責任保険は保険料の負担もそれほど大きくはないので、ご自身の入られている自動車保険等の内容を念のため確認されて、もし「個人賠償責任保険」に加入されていないようであれば、自転車保険の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
弁護士 小川和男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。
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