2018年2月20日
被疑者国選制度が拡大します
皆さんは被疑者国選制度をご存じでしょうか。犯罪の嫌疑を受けている人を被疑者といいますが、勾留(逮捕に引き続いてなされる身体拘束)された被疑者が経済的に苦しいなどの理由で弁護人を選任することができない場合に、本人から請求又は法律の規定によって国選弁護人を付けられる制度を被疑者国選制度といいます。
現在、多くの事件で被疑者に国選弁護人を付けることができるようになりましたが、それでも住居侵入罪、暴行罪、公務執行妨害罪、死体遺棄罪など、法律に定められた刑がそれほど重くない犯罪については被疑者に国選弁護人を付けることができませんでした。
これが、刑事訴訟法の改正によって本年6月末までに、全ての犯罪について被疑者が国選弁護人を請求することができることになります。
身体拘束された被疑者が、弁護人から、被疑者として保障された権利の告知、捜査の在り方についての警察及び検察との交渉、被害者との示談交渉、身体拘束からの解放に向けた活動など弁護人の援助を受ける利益は、極めて大きいものです。
刑の軽い罪であるからといって、身体拘束を受けた被疑者の不利益が小さく、えん罪の危険が少ないというわけでは決してありません。むしろ、軽微な罪であるからこそ、身体拘束による不利益や不安から免れようと虚偽の自白をしてしまう可能性が高いともいえるのです。
弁護士 小川和男
著者:小川 和男
問題を抱えているにもかかわらず、誰にも相談できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか、そのような方々が気軽に相談できる弁護士でありたいと思っています。まずはお話を聞かせてください。