新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2022年7月1日

【担当事件紹介】再逆転!東京高裁、帝京長岡高校・吉田大教諭に対する解雇が「解雇権濫用に当たる蓋然性が高い」と判断し、賃金仮払いを認める!

 帝京長岡高校の吉田大教諭が帝京蒼柴学園(以下「学園」)から令和2年3月末限りで普通解雇(以下「本件解雇」)されたことにつき、本年6月27日、東京高等裁判所は、解雇無効を理由に賃金仮払いを命じた新潟地方裁判所長岡支部の令和2年9月18日付仮処分決定を認可(支持)し、解雇が有効であるとした同支部の令和3年10月15日付異議審決定を取り消しました(以下「本決定」)。

 本決定は、学園の主張する「職務に必要な適格性を欠く場合」の解雇が認められるのは「当該教職員に使用者の改善措置によっても容易に矯正しがたい職務を行うに必要な能力の不足又は素質、性格に基因する不適格な行為であって、その職務の遂行に支障があり、その支障の程度が当該教職員を組織から排除しなければならないほど重い場合」に限られる、という前提に立ち、個々の解雇理由を検討しました。

 そして、本決定は、本件解雇理由とされた吉田教諭の言動の多くは、存在するとはいえないとしました。また、言動の一部については、その存在を認定し、適切さを欠くとしたものの、学園が吉田教諭に対し「指導等を尽くしてきたかは疑問が残る」、「解雇以外の選択肢がないと判断していたとも認められない」などとした上で、「改善措置によっても容易に矯正しがたい職務を行うに必要な能力の不足又は素質、性格に基因する不適格な行為があって、その職務の遂行に支障があり、その支障の程度が当該教職員を組織から排除しなければならないほど重い場合に該当するとはまでは認めることはできない。」とし、本件解雇が解雇権の濫用に該当する蓋然性が高いと判断しました。

 本決定は、能力不足による解雇が認められるのは限定的であるとの前提に立ち、学園の組合敵視の姿勢、吉田教諭が組合に加入した後の事実経過、同教諭の言動に対する学園の対応、個々の証拠の提出時期、証拠作成者の置かれた状況等を丁寧に分析・検討したうえで、本件解雇について解雇権濫用(不当解雇)の蓋然性が高いと結論付けたもので、理由付け及び結論とも妥当であると考えます。

 吉田教諭に関する事件は他にも複数ありますが、本決定を足がかりに、他事件についても、勝利解決を目指して、引き続き努力する所存です。ご支援の程どうぞよろしくお願い致します(当事務所の担当弁護士は、土屋・加賀谷です。)。

 本件解雇のように、不当解雇の問題でお困りの方は、当事務所の弁護士にご相談ください。相談のご予約は、お電話またはHP(受付フォーム)よりお願い致します。

弁護士 加賀谷 達郎

著者:

新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。

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