2013年9月3日
「お母さんのエプロンの後ろに隠れたいか?」
(事務所誌ほなみ第114号掲載)
・「国防軍」ってなに?
自民党は憲法9条を変えて「国防軍」をつくることを宣言しています。「国防軍」と言われても私たちはピンと来ません。
「国防軍」ってどんな組織なの?自衛隊とどう違うの? 軍人ってどんな人たちなの?・・・
ときどき、「在日米軍の○○○軍曹が民家に侵入し寝ていた女性に暴行して逮捕されました」というようなニュースを聞きますが、軍人という人たちはどんな頭の構造をしているのでしょうか。
・アメリカ海兵隊の新兵訓練
沖縄に長年暮らす米国人ダグラス・ラミスさんは海兵隊に入隊した経験があります。彼は、著書の中で、海兵隊では「平気で人を殺せる」人間を作る必要がある。だから、その新兵訓練で重要なのは、①女性の権威を徹底的に否定すること、②自分の理性を使わせないこと、であると言います(『憲法と戦争』40頁)。
「女性の権威を否定する」とは、“人殺し”の訓練中に「こんなことをしていいのだろうか、お母さんはどう思うだろうか」という思いがよぎり(新兵訓練を受ける18~20才くらいの若者たちのごく普通の感情です)、ちょっとでも弱みを見せると、教官は、「じゃあ、お母さんのところに戻るか」「お母さんのエプロンの後ろに隠れたいか」「どうした、お前は女か」と馬鹿にする。そうしてそのように考えることを恥ずかしく思わせる。
「軍隊を持つ=戦争をする、ということと、女性を軽視・蔑視することは、潜在意識のどこかで深い繋がりがある」とラミスさんは言います。
また、「自分の理性を使わせないこと」とは、あり得ないこと・馬鹿げたことを繰り返し命令し、いざ戦場で、「こんなことをすればオレは確実に死ぬ」「なぜ、そうしなければならないのか」という考えが起きないような精神構造に作りかえること。実際に、ラミスさんは、教官から、立木の枝をその場で引っ張っているよう命じられ、そのまま3~4時間放置されたことがあったそうです。
・国防軍を持つことは、ご近所に“平気で人を殺せる人間”が暮らす社会を許すこと
日本の自衛隊は、生まれてこのかた戦闘行為で人を一人も殺していません。しかし「国防軍」は違います。人を平気で殺すことができる人間で組織しなければなりません。そのためには、女性を蔑視し、自分でものを考えない、殺し屋ロボットのような人間を育てなければなりません。
そのような人たちが自分の近所で暮らしているかもしれない、そういう社会を許すことが果たして良いことなのでしょうか。
弁護士 金子 修
著者:金子 修
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大河ドラマ「八重の桜」を見て
「自由な生きかた」をまもろう