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2015年9月15日

賃貸マンションの賃借人の子どもがマンション内で迷惑行為をしたことについて、両親の責任が一部肯定された事例

 東京地方裁判所平成27224日判決(判例時報226073頁)は、マンションの賃借人の未成年者の子どもが行った迷惑行為について、両親の責任の一部を認めました。

 マンションの借主であるYさんは、奥さんと、子ども(6歳)の3人でマンションに住んでいました。ところが、子どもが、マンション内の他の建物部分のドアにマニキュアを付け、廊下で、納豆ご飯を放置するなどしていました(子どもの行動は、マンション内に設定された監視カメラによって確認されました。)。

 マンションをYさんに賃貸しているX会社は、子どもの上記行為を理由に、Yさんとの賃貸借契約を解除し、①Yさんに対し、マンション内の建物部分の明け渡し、②賃料相当損害金の支払いをそれぞれ請求し、③Yさんたちに対し、責任無能力者(6歳の子ども)の監督義務者の責任に基づく損害賠償請求をしました。

 判決は、子どもの上記行為によってもX会社とYさんの賃貸借契約継続が困難になるほど信頼関係が破壊されたとはいえないとして、X会社の①と②の請求は認めませんでした。他方、③については、Yさんの子どもの行為があったことを認定したうえで、Yさん夫婦の監督義務者としての責任を認め、X会社のYさんに対する約10万円(清掃費用等)の損害賠償請求を認めました。

 マンション等の共同住宅では、マンション内の迷惑行為は、他の居住者、賃貸人、区分所有者らに様々な損害等を与えることがあります。また、子どもの迷惑行為も、内容・程度によっては、借主である親が責任を負う事態に発展する可能性があります。本判決は、マンション内の迷惑行為を判断した事例として参考になるのではないかと思います。

 

 マンションをはじめ不動産の賃貸借でお困りの方(借主・貸主いずれも)は、当事務所にご相談いただければと思います。まずは、お電話ください(025-245-0123)。

 

弁護士 加賀谷達郎


著者:

新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。

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