2018年3月5日
「パワハラ」について
レスリング選手の関係者が内閣府に「パワハラ」を告発したと報道されています。
「パワハラ」とは何でしょうか。厚生労働省は「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義をしています。
この定義からすると、①必ずしも上司から部下といった関係のみならず、職場内の優位性があればよく、②業務上適正な範囲を超えている場合、その行為は「パワハラ」にあたることになります。
さて、今回の告発状に記載されていた内容が事実であれば、一連の行為はレスリング協会内の地位の優位性を背景としてなされたものであり、業務上適正な範囲を超えているものとされる可能性が高いように思われます。もっとも、「パワハラ」を巡る事件は一般的には事実関係に争いがあることが多く、証拠の有無が一つの大きなポイントになるケースが往々にしてあります。いずれにしても、第三者による中立的かつ客観的な事実の調査とその対策が望まれます。
なお、今回の告発状は、内閣府に対してなされたものであって、刑事責任を問うものとして警察になされたものでもなければ、損害賠償(民事)責任を問うものとして裁判所になされたものでもありません。レスリング協会内での解決や選手の練習環境の改善が目的であったものであろうと思われます。
「パワハラ」(労働問題)のご相談は初回無料です。早めの相談がより良い解決に繋がる場合があります。お気軽にご相談下さい。
弁護士 二宮 淳悟
著者:二宮 淳悟
2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長 ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長