2008年5月25日
ある逮捕監禁事件
まずは私の若干の近況報告。健康保持のため外出の際はできるだけ自転車に乗るように心がけています。仕事の合間に昭和大橋からやすらぎ堤を自転車で散策し、陽春の信濃川や越後の山々を眺望するのも素敵です。そのおかげで年齢のわりには足腰が少し強くなったのではないかと思ったりもしますが、気のせいかもしれません。
さて最近の出来事から。今年の1月17日、新潟市内の2人の顕正会の信者が逮捕監禁と強要の容疑で逮捕されたというニュースがマスコミで比較的大きく報道されました。顕正会のホームページによれば、平成19年の全国の会員数は公称約124万人で、新潟県の会員数は約10万人。ある本によれば2003年の宗教法人の申告所得ランキングでは第8位にランクされているそうですから、大きな宗教団体といってよいでしょう。
今回の逮捕監禁事件が起こったのは平成18年11月。2人の信者が男性に入信を勧めたが、男性が応じなかったため、襟首をつかんで投げ飛ばすなどの暴行をして全治1週間のけがを負わせ、さらに男性を軽自動車に押し込み「逃げるとぶっ殺す」などと脅かして2時間にわたって車に監禁して会館に連行し、数珠を与えてお経を読ませたというもの。
問題は同じような事件が頻発していること。新聞によれば、新潟県内では10代から20代の若者を中心に顕正会の会員による勧誘時のトラブルが多発しており、県警に寄せられた被害相談は、平成16年から18年の3年間で3百件以上あったということです。
私たちの事務所にも顕正会の会員の家族からの相談が毎年数件あります。高校生の子どもさんが同級生から勧誘され、今度は他の同級生を勧誘するようになって迷惑をかけているというケース。幼い子どもを連れて毎日夜遅くまで外で勧誘活動に奔走する妻に、子どもの健康を心配する夫が活動の自制を求めても聞き入れてもらえず、離婚に発展したという悲惨なケースもありました。
少しホッとしたのは、今回の事件が報道されたのを契機に、3年前に入会した20歳代の会員から、脱会をしたいので顕正会に内容証明で脱会の意思表示をしたいという相談を受けたこと。お母さんの努力もあって脱会を決意したということでした。(中村周而)
著者:中村 周而
さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。
最近のヤミ金事件から
使用前と使用後