2012年4月24日
不動産に関する法律相談 不動産の売買契約(その2)
今回から不動産売買契約において問題となる点を解説します。まずは、「不動産(土地)を買いたい」という買主の立場にたって、一緒に考えていきます。
土地を購入して住宅の建築をしたい方にとって、購入したい土地の権利関係や、土地に建物の建築ができるかという点が重要になってきます。
土地の権利関係は、最新の登記簿謄本(または全部事項証明書。以下の説明は、「登記簿謄本=全部事項証明書も含む」という意味で読んでください)でチェックできます。登記簿謄本は最寄りの法務局で入手できます。登記簿謄本では、「売却予定者がその土地の所有権者であるのか。」を見ましょう(甲区欄)。売主が所有権者でないと、所有権移転手続が煩雑・困難になる可能性が高くなるからです。また、「土地に抵当権等が設定されていないか。」も見ましょう(乙区欄)。買主本人の負債が原因でないのに、抵当権の実行により、せっかく買った土地を失う可能性があるからです。
土地上に建物の建築ができるかどうかは、その土地が都市計画法や建築基準法等の制限を受けるか否かによります。都市計画法の適用については都道府県の都市計画課、建築基準法の適用については都道府県・市町村の建築課等で調べることができます。これらの法律の適用によって、「購入希望地上で家の建築がそもそもできない。」、「建築したい家の建ぺい率・高さが大きく制限される。」場合もあるため、確認しないといけません。
もちろん、購入希望地の現状を自分自身の目で確認することも重要ですから、現地調査は欠かせません。そして、売主から購入希望土地について話を聞くことも必要でしょう。
不動産業者の仲介によって土地を購入する方も多いと思います。その場合、不動産業者の担当者に対し、あらかじめ建物建築目的で土地を購入したい旨を告げてください。そして、以上に述べた購入希望地の条件等にも伝えておくとよいかと考えます。
不動産の売買契約に関してご相談したい方は、当法律事務所の弁護士までご連絡ください(025‐245‐0123)。
弁護士 加賀谷達郎
著者:加賀谷 達郎
新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。
子どもから「離婚したい」と言われたら