2017年11月27日
介護老人施設入所者の誤嚥事故について
高齢化社会に伴い、ご家族が介護老人施設等で入所生活を送っている方もいると思います。入所された方がその施設で不自由なく生活できること何よりですが、残念ながら、事故が発生することもあります。
ある医療法人の開設する介護老人保健に施設に入所した方が、ロールパンを食べたところ、誤嚥により窒息し、低酸素脳症に陥りました。
そのため、入所者及びその家族が、当該医療法人を相手に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案において、平成29年3月28日、鹿児島地方裁判所は、原告(入所者及びその家族)の主張を概ね認める判決を言い渡しました。
判決は、入所者に誤嚥のリスクがある場合、施設側に、飲み込みやすい食物を選択して入所者に提供し、パンを提供するにしても小さくちぎったものを入所者に提供する義務があるとしました。そのうえで、施設側が、その義務に違反し、ロールパンをそのまま提供し、その塊が入所者の気道を閉塞して窒息が生じたのであるから、事故の発生について施設側に責任があると判断しました。
判決は、施設側に対し、入所者の摂る食事について誤嚥のリスクを回避するような措置を講じることを義務づけたもので、妥当であると考えます。
当事務所では、介護施設内で発生した事故について、ご相談・ご依頼を受けております。ご予約は、電話またはメール(受付フォーム)でお願い致します。
弁護士 加賀谷達郎
著者:加賀谷 達郎
新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。
年末年始の営業について
自転車後部に反射板は付いていますか