2018年7月27日
宝くじと財産分与(1)
皆さんは「宝くじ」を買ったことがありますか?買ったことはあっても高額当選したことのある方は少ないのではないかと思います。私も買ったことはありますが当たるのは6等の300円で高額当選なんて夢のまた夢というところです。
しかし今回は、見事に宝くじで約2億円を当てた夫婦の裁判例をご紹介します。
夫が、婚姻期間中、自分の小遣い(毎月2~3万円)から毎月2000円程度を使って宝くじを買っていたところ、なんと約2億円に当選しました。夫婦は、当選金で自宅の住宅ローンを完済し、夫は給料全額を生活費として家計に入れ当選金から小遣いを使うようになりました。また、夫が仕事を辞めて当選金の資産運用に専念していた期間があるのですが、その際には当選金から生活費を捻出していました。
そんな夫婦ですが、離婚することになったため財産分与が問題となりました。
妻名義の資産はほとんどありませんでしたが、夫名義の資産として不動産や預貯金や保険関係があり、そのほとんどの原資は当選金だったことから、宝くじの当選金又は当選金を原資とする資産は果たして夫婦の共有財産となるのか、それとも宝くじを充てた夫の特有財産となるのか、問題となりました。
共有財産となれば原則として2分の1の割合で分与されますが、夫の特有財産となれば妻には分与されません。
裁判所の判断は、原審(家裁)と抗告審(高裁)で分かれます。
さて、どのような判断になったのか・・・ちょっと長くなるので、続きは「宝くじと財産分与(2)」でお届けします。お楽しみに!
弁護士 鈴木麻理絵
著者:鈴木 麻理絵
生まれも育ちも埼玉県ですが、縁あって新潟で弁護士として働くことになりました。依頼者の方に「相談して良かった」と思っていただけるように、誠実に取り組んでまいります。
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