2018年10月9日
“有効求人倍率”のワナ
「景気が良くなった」「就職は売り手市場」というニュースが最近あふれています。その根拠となっているのが、“有効求人倍率”が高くなっていること。
職を求めている人ひとりにつき求人がいくつあるのか、1以上なら求職者を上回る求人があるということで、えり好みをしなければ十分就職はできる、という話です。
しかしカラクリがひとつ。今年8月の有効求人倍率は1.6、そのうちパートの求人倍率は1.8、正社員の求人倍率は1.1でした。しかも求人倍率が高いのは、介護、建設、運輸など、過労死や低賃金で問題となっている業種です。
何のことはない、高い求人倍率を支えているのは主に低賃金・過重労働の現場なのです。
人手不足なら賃金が上昇するはずですが、こんなカラクリが続くかぎり働く人のふところは温かくなりません。賃金を上げる政策、不安定な雇用を減らす政策がない限り、「給料が上がった」「景気が良くなってきた」という実感はわきません。
弁護士 金 子 修
著者:金子 修
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