2017年8月1日

自転車の逆走

自転車は車両ですから、自動車と同じように基本的には車道を左側通行しなければなりません。自転車道が設けられている場合は基本的には自転車道を左側に寄って走行しなければなりません。

歩道が設けられて ある道路に歩道に沿って車道内に白線が引かれていますが、その中を自転車が右側通行をしているのを見かけることがあります。車を運転しているとき、歩道に沿った白線内をスピードを出して向かって走ってくる自転車にびっくりすることがあります。

「道路又は車道の道路端寄りに引かれている区画線」（白線）は「車道外側線」という区分線です。これは、車両が通行するときに、端によりすぎると危ないことからこの線よりも右側を通行するように目安とする区画線です。

道路に引かれている白線の外側の道路の帯状部分は「路側帯」と一般には呼ばれていますが、「路側帯」は「歩道の設けられていない側の道路寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によって区画されたもの」（ 道路交通法２条１項３の４号）と定められています。歩道が設けられている道路の歩道と白線（車道外側線）との間の部分は路側帯ではなく、車道の一部です。歩道と白線（車道外側線）との間を自転車で右側通行することは車道を逆走することになります。

車道はもちろん、路側帯を通行する場合でも、左側通行をしないと通行区分違反として３か月以下の懲役又は５万円以下の罰金の罰則がありますので、注意が必要です。

自転車は通行区分を守って走行しないと、交通事故の際には重い責任を課せられることがあります。

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弁護士　土屋　俊幸