新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2013年5月27日

中越エクスプレス事件(労働)

労働基準法は、原則として「1日8時間、1週40時間を超えてはならない」としています(労基法32条)。例外的に、使用者と労働者の代表が「労使協定」という約束をした場合には、この法定時間を超えて働かせることができるとされています。これを「変形労働時間制」と言います。

中越エクスプレス事件では、会社側は、平成21年度の変形労働時間の労使協定を、従業員に無断で偽造して届出を行っていました。変形労働時間制を採用することで、賃金を低く抑えようとしていたのです。これに対して、労働組合は、労働条件の改善を図るため、従業員同士での話し合い等の組合活動を行いました。

組合活動を嫌がった会社側は、組合員らに対して、「強迫」「監禁」といった理由で懲戒処分を行ったため、組合員らは地方労働委員会に救済の申し立てを行ってきました。

地方労働委員会は、本年5月15日、監禁、脅迫、詰問といった会社側の懲戒理由について「根拠を欠く」「会社側の事実認定は相当にずさんなものであるとの感を抱かせる」として、懲戒処分の取消し命令を発しました。さらに、労使協定の偽造に関しては「企業秩序の維持を強調する会社としては、あってはならないことである。」と厳しく批判しました。

法律で決められた労働条件を下回っているのみならず、違法な懲戒処分によって組合活動を抑え込もうとした会社側は厳しく批判されるべきです。

なお、組合員らは、適法な割増賃金を求めて、本年5月1日、新潟地方裁判所に未払い賃金の支払をもとめる訴訟を提起しました。

今後ともご支援のほどよろしくお願い致します。

担当弁護士は土屋、二宮です。

新潟合同法律事務所 弁護士 二宮 淳悟 

著者:

2010年12月 当事務所入所 ・2012年~新潟県弁護士会 東日本大震災復興支援対策本部 本部長代行 ・2015年~新潟県弁護士会 憲法改正問題特別委員会 副委員長 ・2019年~新潟県弁護士会 糸井川大規模火災対応本部 事務局長 ・2020年~新潟県弁護士会 学校へ行こう委員会 副委員長 ・2023年~新潟県弁護士会 刑事弁護委員会 副委員長  ・2012年~日本弁護士連合会 災害復興支援委員会 運営委員 ・2018年~関東弁護士会連合会 災害対策委員会 副委員長

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