2013年6月11日
「橋下発言」弁護士メガネで覗いてみると・・・ その1
1 第二次世界大戦下の日本軍の「従軍慰安婦問題」に関する橋下徹氏(大阪市長)の発言は、国連事務総長も発言するくらい国際的に もすっかり有名になりました。
橋下発言を弁護士メガネで覗いてみると、こんなことが頭に浮かびました。なお橋下氏も弁護士15年くらいのキャリアがあるようです。
2 事実を十分調べず、証拠不十分のまま発言
・発言その1「日本が国をあげて強制的に慰安婦にさせた証拠はない」
弁護士に一番身近な役所は裁判所。その裁判所は、これまで数回にわたって日本軍が強制的に慰安婦にさせた事実を認めていま す。例えば、「原告(在日韓国人の女性)は、その慰安所(中国・武昌)の営業許可直前、泣いて抗ったが、軍医による性病検査を受けさせられ、営業許可後は、意に沿わないまま従軍慰安婦として日本軍人の性行為の相手をさせられた。原告がいやになって逃げようとすると、そのたびに慰安所の帳場担当者から捕まえられて連れ戻され、殴る蹴るなどの制裁を加えられたため、原告は否応なく軍人の相手を続けざるを得なかった」(東京地裁平成11年10月1日判決。東京高裁平成12年11月30日判決も支持。)。
これは強制的に慰安婦にさせた証拠にならないのでしょうか。橋下氏は、弁護士なら仕事のイロハである過去の裁判の調査すらやっていなかったようです。
(弁護士 金 子 修)
著者:金子 修
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