2013年6月14日
「橋下発言」弁護士メガネで覗いてみると・・・その3
4「ほかの人もやっているのに、どうして自分だけ・・・」
・発言その3「日本だけでなく当時は世界各国の軍が慰安婦制度を活用していた」
橋下氏自身が「日本だけでなく世界各国の軍が慰安婦制度を活用していた」という証拠を全く示していない点は措くとして、新聞報道によれば、その道の研究者の方は、「従軍慰安婦制度」を持っていたのは日本軍とナチスドイツ軍だけだったと発言しています。ここでも証拠不十分のままの発言だった可能性が濃厚です。
さらに問題なのは、「日本だけでなく他の国も・・・」という言い方です。「私も悪いことをしたが、他の人も同じように悪いことをした」というわけです。だから責任が軽くなるのか、と突っ込みたくなります。小さな子どもが、親や学校の先生に叱られそうになって、「ボクだけが悪いんじゃない、○○クンだってやったんだ・・・」という虚しい言い訳をするのと同じです。
悪いことをしたら、他の人がどうのこうのではなく、自分がまず責任を取って罪をつぐなうのが法律の常識(というか社会の常識)でしょう。
やはり、橋下発言には弁護士の常識が見えません。
(弁護士 金 子 修)
著者:金子 修
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