新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2013年9月30日

入信強要の疑いで顕正会を強制捜査

 宗教法人「顕正会」の男性会員2人が、今年の3月にアルバイトの男性に対し、「入信しないと罰が当たる」「五体満足でいられなくなる」などと脅かして入信を強要したという容疑で、9月11日、警視庁公安部が教団本部や東京会館など5ヵ所を強制捜査に乗り出したというマスコミ報道がありました。

 その後の捜査の進展は不明ですが、警視庁公安部が複数の教団施設に強制捜査に入ったことから考えると、捜査当局の主な関心は、教団が今回の容疑に組織的にどの程度関与しているかに向けられていると言えそうです。

 顕正会のホームページによれば、同会の会員数は平成23年11月末で150万人余り。もっとも実数は10万人という見方もありますが、いずれにせよ大きな宗教団体のひとつといってよいでしょう。新潟県内の会員数も10万人以上と言われ、新潟、長岡、三条に会館を持っています。

 問題は、この教団の会員が入信勧誘をめぐって過去にも同じような事件を何度も繰り返していること。平成18年11月に新潟市内で起こった事件では、2人の信者が男性に入信を勧めたところ、逃げようとしたため襟首をつかんで投げ飛ばすなどの暴行を加えて全治1週間のけがを負わせ、さらに男性を軽自動車に押し込み「逃げるとぶっ殺す」などと脅かして2時間にわたって車に監禁して会館に連行し、数珠を与えてお経を読ませたとされています。警視庁には今年だけで顕正会の勧誘トラブルについて80件の相談があったようです。

 私も顕正会の会員の家族からたびたび相談を受けますが、とても気になるのは、顕正会に入会した信者の多くが、家族と一緒に過ごす時間が殆どないほど教団施設に通い、入信勧誘などの宗教活動に奔走していること。しかも自宅でも家族に対して入信勧誘をし、職場の同僚、友人・同級生、子どもの同級生の親にも執拗に勧誘活動を行っているうちに、次第に周囲からも敬遠されて孤立し、顕正会以外に自分の居場所を見つけることができない状態に自らを追い込んでいる形跡があるということです。

 今回、報道された事件で、教団が信者に対して勧誘ノルマを課したり、心理的圧力をかけたことはなかったのか、捜査の成り行きが注目されます。

                         弁護士 中 村 周 而

著者:

さまざまな問題を依頼者の皆様と一緒に考え、解決をめざします。 最近は、社会の高齢化が進む中で、高齢者をめぐる貧困、医療、介護、家族との関係などさまざまな問題が深刻さを増しています。私もそうですが、団塊の世代を含めた高齢者が、もっと声を大にして問題の深刻さを訴える必要がありそうです。

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