2014年4月21日
医療事故(民事賠償請求)のはなし(4)
弁護士と相談するときにはどんな点を注意したらよいですか?
まず、事実経過をありのままお話しください。その一方で、分からないことや不安に思っていることは、遠慮なく聞いてください。ここで遠慮すると、あとになって「なぜあの時もっと早く言わなかったのだろう」と悔やむことになる危険があります。
つぎに、法律相談の段階で、弁護士がどの程度のところまで援助できるかですが、もし、カルテ等の医療記録がなく自分の記憶をしたためたメモ程度のものしかない場合は、正確な事実がつかめない場合が少なくなく、したがって医師に過失があったのか、それによって不幸な結果となったのか、という点について判断できない場合が多いです。おおよその経過を推測して、いくつかの結果の予測を言うことができるにしても、あくまで「予測」でしかありません。
このような場合、多くの場合、「ひとまず、事実関係を正確に把握するために調査をしてみましょう。」ということになります。
調査を依頼するという内容で弁護士に委任すると、さっそく弁護士が相手方(個人医、病院等)に通知を出して、調査に協力して欲しいと要請します。
相手方が素直に協力してくれた場合、カルテ等の医療資料が手に入ることがあります。さらに責任を認めて早期に和解したいと言って来る場合もあります。しかし他方で、協力に消極的な態度の場合は、カルテ等の証拠収集のため裁判所を利用するほかないと思います。
弁護士も万能ではありません。弁護士にお任せではなく、一緒に調査し研究して正しい法的解決の道すじを見極めていくという姿勢で、相談に望んでいただければ幸いです。
弁護士 金 子 修
著者:金子 修
まず相談を。少しの費用で(無料の場合もあり)、トラブルの解決の道がわかるだけでも全然違います。相談を受けてまた考えれば良いのです。お気軽に、受話器を取ってください、メールを送ってください。
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