2014年5月27日
電話機等のリースを勧誘した提携会社の従業員に違法な勧誘行為があったとして、リース会社に不法行為責任が認められた裁判例
電話機やコピー機などの販売会社の従業員から執拗な勧誘を受けて、高額なリース契約を締結させられ、連帯保証人にさせられたり、電話機を替えると電話料が安くなるとか、リース契約をまとめるとリース料が安くなるなどと何回も訪ねてきて、執拗に契約の締結を勧誘された、インターネットで情報が漏洩しないようなセキュリティーが必要であると言われて高価なセキュリティールータのリース契約を勧誘されたなど、リース契約を巡る相談があります。
ところで、リース契約はリース会社が提携する販売会社からリース物件を買受け、それをユーザーに提供し、月々のリース料を支払ってもらうという法形式をとる契約ですが、途中で解約してリース物件を返しても残リース料の支払いをしなければなりません。
リース契約が「営業のために若しくは営業として」締結された場合には、販売会社の営業マンから訪問販売で勧誘を受けたとしても、事業者の場合にはクーリングオフが認められない場合があります。特定商取引法26条1項1号について、「購入者又は役務の提供を受けた者が事業者であっても、これらの者が『営業のため若しくは営業として』締結する者でない場合にはクリーングオフができる」とし、「事業内容、当該商品の使用状況、当該商品の設置場所等といった当該取引」の実体的側面を考慮して実質的に判断するという判決(大阪地裁平成24年4月27日判決)があります。
この大阪地裁判決では、リース会社と販売会社は「リース契約締結にむけて密接な協力関係にあり、優良な顧客とのリース契約が増加すると、双方の利益も増加する関係にある」とし、リース会社が販売会社に違法な営業活動がないかを調査し、必要に応じて、両者の法律関係及び経済的影響力に応じた指導・監督すべき注意義務があるとしています。また、販売会社が違法な勧誘行為によってリース契約を締結した事例を認識していたことなどの事情から、リース会社は販売会社に指導・監督を行い、リース契約の締結の意思等を行う際に違法な勧誘行為がなかったかを確認する注意義務があり、この注意義務に違反した過失によって、リース会社へ不法行為による賠償責任を認めています。
リース契約での販売会社の従業員による違法な勧誘についてはリース会社に対する不法行為の損害賠償が認められるケースがあることを示すものです。
電話機、コピー機、ファクシミリの多機能な複合機の買替えを勧める、詐欺的違法な勧誘の相談が見受けられますが、リース契約でお困りの場合には当事務所にご相談下さい。 (弁護士 土屋俊幸)
著者:土屋 俊幸
パソコンのハードとOSに強く、当事務所のパソコン機器のメンテナンス係りです。自分で高性能のパソコンを自作しています。オーディオが趣味で、最近では、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(DAC)にiPadをつなぎ、どのUSBケーブルだと良い音ができるのかを試行錯誤をしています。ハイレゾ音源とYouTubeのヒアノ演奏や交響楽団の演奏を真空管アンプで、30年前に買ったスピーカーで、音の歪みのもたらす音に聴き入る時間をつくりたいと思っています。論文検索や技術情報の収集など情報検索を駆使しての情報集めを得意としています。オーディオの世界と仕事では燻銀の経験と粘りで頑張っています。
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