2014年6月2日
古い先祖名義のままの不動産どうする?
自宅の土地や建物が何十年も前に亡くなった先祖の名義のままになっているという例がよくあります。
このような不動産を自分の名義に変える方法としては、 相続人全員による遺産分割の協議を行うことが考えられますが、何代も前の先祖の名義となっている場合、相続人は何十人にも及ぶことがあり、遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員から遺産分割協議書に実印でハンコをもらい、印鑑証明書を取り付けなければなりませんから、なかなか容易なことではありません。
しかし、あなたが、このような不動産を10年とか20年という長年にわたって自分の物のように使用し、固定資産税等を納付したりしている場合には、取得時効を理由としてその不動産の所有権を得ることができる可能性があります。 具体的には、相続人全員に対して、あなたが取得時効により所有権を取得したことを内容とする訴訟を提起し、判決をもらうことによって、あなたの名義に変更する方法です。
もちろん、訴訟を提起することには心理的な抵抗がある方が多いでしょうし、訴訟においてあなたがその不動産を取得することに反対する相続人が現れないとは限りません。しかしながら、私がこのような事件の依頼を受けた場合には、訴訟を提起する前に、訴訟の提起により名義変更を行うことが正当でかつ合理的であることの理由をわかりやすく説明した丁寧な文書を相続人全員に対して発送し、あらかじめ他の相続人の誤解を解くように努めています。その結果、他の相続人の抵抗を招くことなく、円満に解決に至ったことがほとんどです。
取得時効の主張ができるかどうかは、ケース・バイ・ケースですので、先祖の名義のままの不動産をお持ちの方は、一度弁護士にご相談されることをお勧めします。当事務所では、このような問題を含むあらゆる相続問題についての相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
弁護士 近藤 明彦
著者:近藤 明彦
話しやすい雰囲気で相談・打合せを行い、丁寧な事件処理をすること。依頼者の皆様の満足と納得を最優先にし、安心感を得ていただけることを目標として頑張っています。以前依頼者であった方から、別の事件の相談を再び受けること(リピート)、別の相談者を紹介していただくこと(孫事件とでも言いましょうか)が多く、そのことが私にとって大きな励みになっています。お客様から満足していただけたかどうかのバロメーターであると考えるからです。