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2015年8月12日

集団的自衛権は違憲、海外の戦争には行けん!

事務所誌 ほなみ118号掲載

 

 政府は、今国会に、平和安全法制整備法及び国際平和支援法案(以下「安全保障法制関連法案」といいます。)を提出し、今国会中の制定を目指しています。

 

 

 安全保障法制関連法案は昨年7月1日に行われた集団的自衛権の行使を容認した閣議決定に基づくものです。

 

 

 集団的自衛権とは、「他国に対する武力攻撃を、自国の実体的権利が侵されていなくても、平和と安全に関する一般的利益に基づいて援助するために防衛行動をとる権利」のことをいいます。

 

 

 しかし、日本が攻撃されていないのに、他の国に対する武力攻撃を理由に日本が武力を行使することは、国際武力紛争(戦争)への参加ですから、戦争・武力行使を禁止する憲法9条1項に違反します。

 

 

 また、このような武力行使をする実力組織は「戦力」に当たり、他国への武力攻撃を理由に日本が武力を行使するのは「交戦権の行使」に当たります。そのため、戦力の不保持・交戦権禁止を定めた憲法9条2項にも違反します。

 

 

 つまり、集団的自衛権は憲法9条1項2項に違反し、従来の日本政府も「集団的自衛権は違憲である」と考えてきたのです。

 

 

 今年6月4日の衆議院憲法審査会で与党側推薦を含む3人の参考人(憲法学者)全員が「集団的自衛権は違憲」と断言するなど、憲法学者の圧倒的多数が集団的自衛権の行使は違憲と考えています。

 

 

 このように、今の憲法を改正することなく集団的自衛権を認めるのは違憲であることが明らかですから、集団的自衛権の行使容認を前提とする安全保障法制関連法案も違憲です。

 

 

 違憲な安全保障法制関連法が制定されることになっても、日本が海外の国際武力紛争(戦争)に参加することは違憲です。「集団的自衛権は違憲、海外の戦争には行けん!」なのです。

 

 

 

 

弁護士 加 賀 谷  達 郎

著者:

新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。

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