2016年2月29日
もし北朝鮮の主張が本当だったら・・・
今年2月7日、北朝鮮は、「人工衛星の打ち上げ」だとしてロケットを打ち上げました。しかし日本を始め多くの国は、「人工衛星の打ち上げ」なんてウソ、ホントは「核弾頭も運べる長距離弾道ミサイル」だもんね、といっせいに非難し、強い制裁を求めています。
日本は、沖縄などに『ミサイル打ち落とし部隊』を配置し、「必要があれば打ち落とすぞ」と身構えました。マスコミも一斉に「北朝鮮はウソを言っている」「もし日本に危険が及ぶならミサイルを発射して打ち落とせ」と合唱しました。
でも、もし本当に「人工衛星の打ち上げ」だったらどうなんでしょうか。平和目的で打ち上げたロケットを日本が軍事力で無慈悲に打ち落とした、ということになります。『はやぶさ』を積んだ日本のロケットを、「本当は軍事ミサイルだ」としてどこかの国が打ち落すというわけです。日本じゅう怒り沸騰するでしょう。
もし日本の軍事ミサイルが打ち落としたら、北朝鮮も同じことを言って来るのではないでしょうか。「自衛隊はわが国の平和目的のロケットを無慈悲にも破壊した」「平和国家なんて真っ赤なウソ。日本こそアジアの平和を壊す軍事大国だ」「わが国を守るために日本を叩かなければならない」という流れになって、北朝鮮の多数の短距離ミサイルが、一斉に日本の米軍基地や自衛隊基地、原子力発電所に照準を合わせる・・・・。
あながち空想ではありません。なにせ「ホントは軍事ミサイルだったんだね」と誰もが納得する目に見える証拠がないのですから。もっと言えば、本当は軍事用ミサイルであったとしても「平和ロケット」だと言い通せれば、それで良いのですから。
やはり「力には力を」「目には目を」というやり方だけに頼っていては、とんでもないことになると思います。
(弁護士 金 子 修)
著者:金子 修
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