2026年10月23日
健康診断や肺がん等の治療時に判明する「アスベスト被害」と労災補償
健診や受診が、過去の仕事を振り返るきっかけに
健康診断で胸の画像に異常を指摘された。咳や息切れが続いて受診した。肺がんの検査や治療中に、医師からアスベストを扱った経験を尋ねられた。
こうしたことをきっかけに、過去の仕事と病気との関係が分かることがあります。アスベスト(石綿)による病気は、吸い込んでから発症するまでに数十年かかる場合があり、退職後に見つかることもあります。
「胸膜プラーク」は、石綿を吸い込んだことを示す手がかり
検査で指摘される所見の一つに「胸膜プラーク」があります。胸の内側を覆う膜の一部が厚くなったもので、過去に石綿を吸い込んだことを示す重要な手がかりです。
胸膜プラークが見つかっただけで、直ちに労災補償を受けられるわけではありません。ただし、肺がんなどを発症した方にとっては、仕事との関係を検討するうえで大切な所見になります。
建設・解体・造船など、さまざまな仕事が関係します
石綿による被害は、石綿製品を製造していた方だけの問題ではありません。建設・改修・解体、断熱材や保温材を扱う作業、船舶の補修などでも、石綿を吸い込んだ可能性があります。周囲の作業によって飛散した粉じんを吸い込む場合もあります。
労災認定では、病気の種類に応じて、検査結果などの医学的所見と、過去の作業内容・従事期間などが確認されます。「石綿を扱った記憶がない」という場合も、当時の仕事を具体的に振り返ることが大切です。
退職後でも、労災申請を諦める必要はありません
仕事による石綿ばく露が原因で肺がんや中皮腫などを発症した場合、退職後でも労災補償の対象となる可能性があります。勤務先の廃業などで会社の証明を受けられない場合も、労働基準監督署に事情を説明し、請求手続きを進めることができます。
ご本人が亡くなった後も、ご遺族から請求できる場合があります
仕事で吸い込んだ石綿が原因で亡くなった場合、ご遺族が遺族補償給付などを請求できる可能性があります。生前に労災認定を受けていなかった場合も、請求を諦める必要はありません。 過去の職歴や診療記録などをもとに、仕事と病気との関係を調べ、申請を検討できます。
また、労災保険の遺族補償給付を受ける権利が時効で消滅していても、「特別遺族給付金」の対象となる場合があります。制度ごとに要件や請求期限があるため、亡くなってから年月が経っている場合も、まずは確認することが大切です。
労災事件の豊富な経験をもとに、ご本人・ご遺族を支援します
当事務所は、これまで数多くの労災事件に取り組み、豊富な実績を積み重ねてきました。その経験を生かし、過去の職歴や作業環境を丁寧にお聞きし、診療記録や検査結果を確認しながら、労災申請に必要な事実と資料を整理します。
ご本人が亡くなっている場合も、ご遺族から伺ったお話や残された資料を手がかりに、補償の可能性を検討します。勤務先や作業内容が詳しく分からない場合、資料が揃っていない段階でも、ご相談いただけます。
健診や治療で石綿との関係を指摘された方、肺がんや中皮腫などでご家族を亡くされ、過去の仕事との関係が気になる方は、当事務所にご相談ください。ご本人とご家族が受けられる補償を、一緒に検討します。
弁護士 深 谷 航
著者:深谷 航
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