新潟合同法律事務所(新潟県弁護士会所属)

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2014年3月18日

不動産に関する法律相談 不動産の売買契約(その10)

  前回の「不動産の売買契約(その9)」の法律相談では、「BさんがAさんから甲土地を買い土地所有権を取得したが、Bさんが甲の登記を移転してもらう前に、Aさんが、甲を、AさんとBさんの売買を知っているCさんに売り、登記をCさんに移転した。Cさんが背信的悪意者に当たる場合、Bさんは、登記なくして、甲土地の所有権をCさんに主張できる」とお話をしました。

 今回は、「甲土地を購入したCさんが背信的悪意者に当たるとして、さらに、Cさんが甲土地をDさんに売却した場合、登記の移転を受けていないBさんは、Dさんに甲土地の所有権を取得できるか。」について、皆さんと一緒に考えたいと思います。

 この問題については、「Dさんが、Bさんとの関係でDさん自身が背信的悪意者と評価されるのでない限り、甲土地の所有権の取得を、Bさんに主張できることができる。」と考えられています。

 その理由として、①Cさんが背信的悪意者であるとしても、AC間の売買が無効になるわけではなく、Dさんが、甲土地について無権利者であるCさんから甲土地を買ったということにならない、②甲土地の登記を取得したDさんが、第一の買主であるBさんに、Bさんの登記がないことを主張するのが信義則に反するかどうかは、BさんとDさんとの間で判断されるべき問題である、という説明がされています。

 そうすると、Bさんにとって、「Cさんが背信的悪意者であるから、甲土地の登記がない場合でも、自分が甲土地の所有権を主張できると思っていたのに、Dさんが登場したことで、甲土地の所有権をDさんに主張できなくなる」という事態も起こり得ることになってしまいます。

 さて、このような事態にBさんが陥らないためには、どうすればよいでしょうか。続きは、また次回の法律相談で 

  弁護士 加賀谷達郎

著者:

新潟県よりさらに冬が厳しい秋田県で生まれ育ちました(北海道に住んだこともあります。)。縁あって、学生時代を過ごした新潟で、弁護士として活動することができ、嬉しく思います。「弁護士」と聞くと「なるべく関わりたくない」という方が大多数かと思いますが、ご依頼された場合、法律・裁判例を念頭に置きながら、「依頼者の方にとって一番良い解決は何か」を考え、業務に務めたいと思います。雪国育ちですが、スキーはできません。しかし、寒さ・辛さにも耐える我慢強さ、簡単にあきらめない粘り強さには自信があります。TVドラマで登場する弁護士の様な華麗さはないですが、依頼者の方と誠実に向き合い、粘り強く、少しでも良い解決を目指したいと思います。

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