2018年9月5日
可視化はこれからが重要です
2016年の刑事訴訟法改正により、取調べの録音・録画の義務化が2019年6月までに施行されることになりました。しかしながら、その対象事件は、公判請求全事件の3%弱にすぎません。 これまでに発生した多くのえん罪事件はこの改正法があったとしても録画義務付けの対象外であり、このままではこうしたえん罪... 続きを読む
2018年8月8日
車が動いていれば100:0にならないのは本当?
動いている車同士の事故の場合、過失相殺ということがよく話題にのぼります。たとえば、A車とB車が衝突して事故になった場合に、Aの過失が20%、Bの過失が80%で、A・Bの損害がともに100万円であるとすると、Aは、Bの損害のうち20%にあたる20万円の賠償義務を負い、BはAの損害のうち80%にあたる8... 続きを読む
2018年8月3日
宝くじと財産分与(2)
楽しみにしていた方、お待たせしました。夫が充てた宝くじ(約2億円)を原資とする資産が、果たして夫婦の共有財産となるのか、それとも夫の特有財産となるのか、裁判所の判断をお話しします(何の話?と思った方は、「宝くじと財産分与(1)」をご覧ください)。 まず、原審(家裁)は、宝くじの購入原資が夫婦共... 続きを読む
2018年7月27日
宝くじと財産分与(1)
皆さんは「宝くじ」を買ったことがありますか?買ったことはあっても高額当選したことのある方は少ないのではないかと思います。私も買ったことはありますが当たるのは6等の300円で高額当選なんて夢のまた夢というところです。 しかし今回は、見事に宝くじで約2億円を当てた夫婦の裁判例をご紹介します。 ... 続きを読む
2018年7月24日
無罪判決を受けた場合の補償について(その2)
前回、刑事事件で無罪判決を受けた場合、国に対して金銭の補償を請求することができること、その補償の一つである「刑事補償請求」について説明をいたしました。 今回は、もう一つの補償である「費用補償請求」について説明いたします。 刑事訴訟法188条の2は、「無罪の判決が確定したときは、国は、当該... 続きを読む
2018年7月20日
勲章と憲法(その三・完)
日本国憲法下の叙勲と父の場合 日本国憲法では、叙勲は「栄典の授与」と言い、内閣の助言と承認により天皇が国民のために行う行為(国事行為)とされています(第7条7号)。しかし、栄典とは何かとか、どんな勲章をどんな人に与えるのかの基準や誰がどんな手続で決めるのかといった法律はなく、政府が一方的に制定... 続きを読む
2018年7月16日
必要性と許容性
1 司法試験では,法律の基本的知識があることを前提に,主に法律解釈に関する問題が出題されます。 したがって,司法試験を受験しようとする場合,法律の基本的知識を身に着け,法律の解釈に関する判例や学説を勉強をすることになります。 ただ,判例や学説をすべて暗記したとしても,それだけでは解けない問題が出... 続きを読む
2018年6月29日
「渾」の文字は「常用平易な文字」にあたるか
「渾身の力を込めて」とか、「渾々と清水が湧き出る」とか、「渾」の文字はさまざまな場面で使われていますね。力強さや勢いを感じさせるこの文字をわが子の名前に使おうと思う人がいても不思議ではありません。 ところが長男「渾」君の出生届を戸籍管掌者である区長に提出したところ、不受理とされ、出生届を受理す... 続きを読む
2018年6月22日
無罪判決を受けた場合の補償について(その1)
先日、ニュース・トピックス欄で無罪判決の報告をさせていただきましたが、無罪判決を受けた人は疑われたことに対する補償を請求することができるかどうかについて、補足して説明します。 刑事訴訟で無罪判決を受けた場合、国に対して金銭の補償を請求することができます。 そして、その補償は、①刑事補償請求と②... 続きを読む
2018年6月19日
連帯保証人による弁済と消滅時効
銀行、クレジット会社、消費者金融などの業者による貸付けの時効期間は、原則5年間ですが、借主が弁済を続けている限りにおいては時効となることはありません。それは借主が弁済するということは、債務(借金)の存在を認めていることになるからで、その都度、時効は中断し、弁済の時から再び時効期間が進行していくことに... 続きを読む